負荷試験方法の種類


負荷試験方法は、実負荷試験点検と模擬負荷試験点検の2つに分類されます。


実負荷試験


実負荷試験点検とは、実際に消火用ポンプを作動させて、
屋内消火栓やスプリンクラーを放水させる点検方法です。

そして30分後に定格以上の出力が出ているか?を確認をします。
しかし、30分以上にわたって放水させることが現実的には難しいため、
放水回路を閉めてポンプだけを作動させておこなっているのが現状です。

また放水回路を閉めてポンプ内だけで水を10分以上循環させると、
水がヒートアップしてポンプを破損させる可能性があります。
その為、30分の運転は実質的に不可能です。

さらに、消防設備機器による負荷容量は、発電機容量の30%以内に設計されている場合が多いため、
定格以上の負荷をかけることが難しいと考えられます。

模擬負荷試験


模擬負荷試験とは、何かしらの模擬的な負荷を発電機に接続しておこなう点検方法です。
模擬負荷試験のメリットは、
①施設の停電は発生しない
②安定した負荷がかかる
が挙げられます。

模擬負荷試験の種類


負荷の方式は水抵抗と乾式ヒーターの2つに分類されます。
水抵抗方式
水抵抗方式とは大型ドラム缶のような容器に水をいれて、
2本の電極間の電圧/電流を測定する方式です。
しかし、負荷抵抗となる水の塩分調整や電極の挿入方法が難しいため、
現在ではほとんど用いられていません。
乾式ヒーター方式
乾式ヒーター方式とは、ヒータ(抵抗)を負荷として使用して空冷用ファンによって発生した熱を冷却させる方式です。
発電機の容量によって、大小さまざまな負荷試験器があります。
弊社で使用している負荷試験器も小型の乾式ヒーター方式です。

模擬負荷試験に必要な材料


模擬負荷試験に必要な材料は以下が必要です。
• 模擬負荷試験器
• 接続ケーブル
• テスター
• 交流クランプメーター
• 検電器
• 耐電グローブ
• 養生シート
• スパナ等の工具一式
• 非常用発電機の図面一式(仕様書、単線結線図、負荷機器一覧)
この中でも特に重要なものは模擬負荷試験機と接続ケーブル(発電機<->模擬負荷試験機)の容量選定です。
模擬負荷試験器の容量選定
模擬負荷試験機は、発電機の容量に合ったものを選定する必要があります。
例)発電機容量が50kVAの場合は、定格出力が40kWとなります。(力率は0.8)

模擬負荷試験機の容量

では、この発電機で30%模擬負荷試験を実施する場合は、
単純計算ですが40kW*30%=12kW容量を満たせる模擬負荷試験機が必要です。
弊社で使用している模擬負荷試験機は、30kW容量です。
つまり発電機容量が125kVAで、定格出力100kWまで対応可能です。
125kVAを超える発電機容量の場合は、模擬負荷試験機を複数台使用して対応しています。


接続ケーブルの容量選定


間違ったケーブルを使用すると、高電流に耐えきれず発煙や最悪は発火する危険性があります。
非常用発電機の点検業務でこうした事故を起こすことは許されませんので、接続ケーブルの選定は重要です。

接続ケーブルは、2PNCTのキャブタイヤケーブルの使用をお勧めします。

2PNCT 600V/2種EPゴム絶縁クロロプレン ゴムキャブタイヤケーブル
絶縁体にエチレンプロピレンゴムを使用し、電気的特性および耐オゾン性に非常に優れ、且つ、耐熱、耐寒、耐水にも優れた性能を有し、最高許容温度は80℃です。シースにはクロロプレンゴムを使用しているため摩耗、引張り、衝撃、可とう性等の酷使に耐え、耐油性、耐候性、難熱性等の特性に非常に優れています。1CT,2CT,2RNCTと比べて、外径、質量が小さく、同一条件では他のキャブタイヤケーブルに比べ許容電流が大きくとれるのも特長の一つです。RoHS指令対応品です。
三ツ星より引用:http://www.kk-mitsuboshi.co.jp/jp/category_products/cabtirecable/

接続ケーブル2PNCTの許容電流


例)発電機容量:50kVAの場合は、出力が40kWとなります。(力率は0.8、電圧は3相220Vとする)
この場合の最大電流値は、40000W÷220V=181.8A、さらに3相3線の場合は÷√3として104.9Aが3相3線のR/S/T相それぞれの最大電流値となります。
では、この発電機で30%模擬負荷試験を実施する場合、104.9A*30%で31.5Aの電流が接続ケーブルに流れますので、31.5Aを許容するケーブルを使用する必要があります。

しかし余裕をみて、ひとつかふたつ上のケーブルを選定することをお勧めします。(弊社では、14、22、60SQを使用)

非常用発電機と負荷試験器の接続方法


負荷試験機からの接続ケーブルを発電機の①どこに②どのように繋ぐのかはインターロック(切替器)タイプと発電機の内部配線によって異なります。

インターロック(切替器)


インターロック(切替器)とは、通常時に使用している商用電源と発電機電源を切り替える装置です。
インターロックが受電設備(キュービクル)側にあるA型と発電機側にあるB型(以下の写真を参照)にわけられます。

受電設備(キュービクル)


キュービクル式高圧受電設備(キュービクルしきこうあつじゅでんせつび)は、高圧で受電するための機器一式を金属製の外箱に収めたもの。単に「キュービクル」(Cubicle) とも呼ばれる。
6,600Vで受電した電気はキュービクル内で100Vまたは200Vに変圧され、施設に供給される。受電容量が50kVA以上4,000kVA以下の小中規模施設の変電設備としてよく利用される。
主遮断装置の種類により、PF-S形、CB形に分かれる。PF-S形は主遮断装置に高圧限流ヒューズ (PF)、高圧交流負荷開閉器 (LBS) を用いる。受電設備容量300kVA以下の場合に用いられる。遮断装置が簡素なため金属箱を小型化しやすい。CB形は主遮断装置に遮断器(CB)を用いる。受電設備容量4,000kVA以下の場合に用いられる。
ウィキペディアより引用:

インターロック(切替器)による接続方法の違い


A型は停電で発電機へ起動信号が入って発電機が動作するor 手動で発電機を動作さない限り電流は流れていませんので、
接続ケーブルを①どこに②どのように繋ぐのは比較的容易です。
ただし、電気主任技術者と事前に打ち合わせをして、きちんと確認をしておく必要はあります。

B型は内部に商用電源からの電圧が常時かかっており、取扱が非常に危険です。
接続ケーブルを①どこに②どのように繋ぐのは、図面と発電機内部を見て慎重に決める必要があります。
もちろん、こちらも事前に電気主任技術者と打ち合わせをしておく必要があります。

もっと非常用発電機の負荷試験のことを知るならココ